まにまに

舞台や映画、俳優など好きな物を語ります

「加州清光単騎出陣2018」観劇

 

ミュージカル刀剣乱舞 加州清光単騎出陣2018」東京公演を観劇。(結構前になるが)

これは、人気ゲーム「刀剣乱舞」をミュージカル化した作品、ミュージカル刀剣乱舞に出演する加州清光というキャラクター(刀剣男士)の単独公演(ライブ)。

 

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ミュージカル『刀剣乱舞』加州清光単騎出陣2018 | ミュージカル『刀剣乱舞』公式ホームページ

 

2017は行けていないので、これが初めての単騎出陣。見に来ているファンのみなさんは揃って赤と黒のコーディネート(加州清光の衣装が赤と黒だからですかね)。まるでドレスコードになっているみたいに、綺麗に赤と黒で埋め尽くされた客席に、始まっていないのにワクワクさせられた。

 

ライブが始まると、舞台が朱に染まり、まるで舞うように動き回る加州。

抜刀して殺陣もやりながら、さらに歌って踊っての約1時間半。ほぼ休みなしで行われるプログラムに驚かされる。

特にアンサンブルとのコンビネーションは凄まじく、彼らはバックダンサーとしても殺陣の相手役としても大事な存在だ。

玉座に加州が座り、その周りを取り囲むアンサンブル。その瞬間が絵画みたいで、すごく目に焼き付いている。

 

加州の休憩タイムには観客とのやりとりもあった。「みんな元気?」「僕のこと知らない人もいるだろうから、自己紹介するね」など、初見にも優しい作り。

ファンのお返事が小さいと「聞こえないよ〜」とゆるゆるなツッコミがあったりする。

 

曲中で客席を歩く演出も魅力的だった。

ファン一人ひとりを見つめながら歩いていく姿は加州であるが、眼差しは佐藤流司のまっすぐな瞳そのものだ。

普段の無表情から時折見せるハニカミ笑顔に、客席がキュンキュンしているのが伝わってきた。自分も例外ではない。

 

息ひとつ乱さず、最初から最後まで加州清光で居続ける。佐藤流司の最大の魅力は高い集中力で構築された演技にあると思う。一瞬たりとも加州でない瞬間がないのである。

歌い終わり去っていく背中まで、きちんと加州でいる。役者として常にその役でいることは当たり前のことだが、それはとても難しいことだ。ミスした時など、思いがけないタイミングで、役のままではいられなくなる時がある。

そこでブレずに役で居続けられるのは、演じるうえでの責任感はもちろん、やはり集中力の高さにあると思う。

一瞬一瞬、一挙手一投足に役を込める。

それが伝わってくる公演だった。

 

千秋楽の北海道公演まであと少し。

最後まで加州清光で駆け抜けてほしい。

 

舞台「イケメン革命」観劇

 

先日、「イケメン革命◆アリスと恋の魔法 THE STAGE Episode 黒のキング レイ=ブラックウェル編」を観劇。

主演・レイ役を務めるのは松村優さん。他にも小南光司さんや荒一陽さん、丘山晴己さんなどが出演。

場所は全労済ホール/スペースゼロ。

あまり観劇スペース感はないけど、わりと見やすいので個人的にはとても好きな会場。

 

イケメン革命はもともと、携帯アプリの恋愛シミュレーションゲームで、今回はそのゲームを舞台化したものとなる。恋愛シミュレーションゲームなので基本は全員と恋愛の可能性があるが、舞台では特定のキャラクター(今回で言えばレイ=ブラックウェル)でエンディングをむかえる内容になっている。

※ちなみに今回のレイ編は舞台化第2弾で、第1弾は別のキャラクターエンディングで行われている。

 

千秋楽から少し時間が経ってしまったけど、せっかくブログを始めたので観劇レポートを。

 

 

↓↓↓舞台概要など詳しくはこちら↓↓↓

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イケメン革命◆アリスと恋の魔法 Episode 黒のキング レイ=ブラックウェル | 公式サイト

 

公式からあらすじを引用すると、

ーー時は19世紀ロンドン。
白ウサギに似た紳士を追いかけたアリスが迷い込んだのは、科学の代わりに魔法が発達したもうひとつの世界―クレイドル―
この世界では、トランプの紋章を掲げる『赤の軍』と『黒の軍』の覇権争いの真っ只中で…?!
元の世界に戻れるのは次の満月の夜を迎える30日後…
紳士はアリスにこう忠告する。

「良いかい、アリス。元の世界に帰りたいなら絶対にかかってはいけない魔法が一つある。
それはこの世で最強にして最古の魔法―――恋だよ」

 

というわけで、ざっくり言うとアリスがクレイドルという世界に迷い込み、そこで出会った数々のイケメン達と共に次の満月まで過ごすお話。恋の魔法にかかったら元の世界には戻れないという忠告を受けつつも、アリスはクレイドルで恋に落ちてしまう。

 

松村優さん演じるレイは、キャラ属性で言うと「クーデレ」。クールですこし意地悪で、でも随所随所優しい…という。

見ている限り、どこが意地悪なんだ?と思わざるを得ないくらい優しさを沢山持ち合わせているキャラクターだったので、見ているこっちも簡単に好きになってしまった。

もしかしたら、松村さんがもともと持っている優しさが滲み出ていたのかもしれない。(松村さんについては、テニミュで共演した宇野結也さんが「文字通り優しい人」と表現していたのが印象深くて、舞台見ながらこの人実際本当にいい人なんだろうな…という目で見ていた。)

 

レイは黒の軍の若きキングで皆から慕われるトップオブトップ。敵も寄せ付けない強さを持っているし、アリスがピンチの時必ず助けに来てくれるし、素直にアリスは他の人と違うと言って特別扱いしてくれるし、恋愛シミュレーションゲームにおけるキャラクター設定としてはかなり出来た方の男の子だったなと。

女の子の理想を寄せ集めた感がとてもして、これぞ恋愛シミュレーションゲームのキャラクター!とワクワク見れる子がレイ。

対する赤の軍のランスロット=キングスレーもなかなか良くて、イケメン、金髪碧眼、圧倒的カリスマ性…みたいな要素で出来た、絶対服従型キング。レイと対になるキャラクターなので、アリスが魅力溢れるランスロットに傾くんじゃないかとヒヤッとするシーンもあったり。

 

アリスは普通の人間だが、魔法の使えるクレイドルの世界では“科学のある世界にいる人間は魔法を弾き飛ばせる”という設定がある為、アリスを邪魔だと思う勢力によって身の危険に晒されることに。

そこにレイや周りのキャラクターたちが駆けつけて彼女を助ける。そのなかでアリスがどんどんレイやクレイドルに対する愛を芽生えさせていくのをストーリーが進むごとに感じられて良かった。

また、レイとアリスの関係性だけでなく、アリスとクレイドルの人々のやりとりや、レイの右腕フェンリルとのストーリー、敵対関係にあったランスロットとの関係性の変化であったりと、周りのキャラクターとの物語もしっかり描かれていて見応えがあった。

 

また、恋愛シミュレーションゲームを元にした舞台を見たのは今回が初めてだったので、とにかくびっくりしたのがキャラクターたちのセリフ。甘い、甘すぎる…。

 

なんと言ってもレイのラストシーンのセリフは、聞いた人間全員が胸キュン状態になっていたと思う。アリス役の青木さんも絶賛するくらい。(そう言われて、格好良く決められるか松村さんはプレッシャーに感じていたらしい)

 

セリフも然る事ながら、松村さんの美声も大加点要素。レイはゲーム版では下野紘さんが声をあてているが、下野さんともまた違う松村さんのオリジナリティがふんだんに盛り込まれたセリフ回しに、私を含めた観客達全員が酔いしれていた。

おそらくゲームでも同じセリフがあるはずなのでこれからプレイしてもう一度あのセリフに会いに行こう…と決意。

 

最後、カーテンコールで初座長を務めた松村さんから挨拶があった。

初回だったからか、すごく緊張されている様子。自分たちが一生懸命に作ってきたものを、これから千秋楽まで一つひとつ大切にやっていくということが伝わってきて、この舞台への気概を示されてグッときた。

 

また次も彼が舞台をやるときは観にいきたいと心から思ったし、他のキャストで言うと小南さんもとても良かった。

ジャンルは何であれ、一生懸命にその舞台でキャラクターとして生きている姿を見せてもらうと、生きる力を分け与えられている気持ちになる。その役者の一瞬一瞬に弾け飛ぶきらきらしたエネルギーを吸収出来るような。

 

観てよかった。ありがとうクレイドル。ありがとうアリス。第3弾も公演されることを祈りながらアプリをインストール。。。

 

 

テニミュ、ハイロープロジェクトから考える長くファンに愛されるコンテンツの共通点

 

 

突然だが、今これを読んでいる方々は

テニミュ】【ハイロー】

と呼ばれるプロジェクトをご存知だろうか。

 

今回このブログでは、この2つのプロジェクトが長きに渡りファンに愛される理由が共通しているのではないかと思い始めたオタクによる見解を述べていく。

※ここでは、この2つのプロジェクト間における黒歴史(某グループボーカルのテニミュキャスト降板問題)には触れないこととします。また、全く畑の違うものを並べて話すなという意見もあるかもしれないですが、そこは目をつぶって読んでいただけると幸いです。

 

さて、テニミュやハイローというプロジェクトについて、この先の文章を読んでいただくにあたり簡単に説明していく。

 

まず“テニミュ”とは何か。

週刊少年ジャンプで連載されていたテニスの王子様(以下、テニプリ)」という漫画を舞台化したミュージカル作品。正式名称はミュージカル「テニスの王子様」(以下、テニミュ)

テニミュは、2003年に初演を行ってから今年で15周年をむかえる舞台作品であり、今現在「2.5次元ミュージカル」と呼ばれる作品群の元祖とも言われる存在。ミュージカル以外にもライブ、運動会、文化祭の開催なども行う一連のプロジェクトの総称。

公式サイト>>>>ミュージカル『テニスの王子様』公式サイト

 

次にハイローについて。

EXILEグループを率いるLDH社長のHIROによる総合エンターテインメントプロジェクト、HiGH&LOW(以下、ハイロー)EXILEグループ(EXILE TRIBE)のメンバーを始め、様々な事務所に所属する俳優も多数出演しているドラマ、映画作品および多くのメディアミックスの総称である。公式サイト>>>>

https://high-low.jp/sp/index.php

 

テニミュ、ハイローの魅力を3つに絞って考えていくと

 

  1. キャラクターの豊富さ
  2. ファンに向けた新展開
  3. キャラクターとキャストの関係性

 

にあると考えている。テニミュとハイローには、作品に惹かれざるを得ない要素が、随所に詰まっているのだ。

 

 

キャラクターの豊富さ

テニプリでは、主人公・越前リョーマの通う中学校(青春学園)をはじめ、ライバル校となる中学校が複数存在し、登場する。各学校に個性的なキャラクターが多数いて、テニミュにおいても各学校のキャラクターをそれぞれキャストたちが演じている。(原作に女性キャラクターは存在するが試合展開は男性キャラクターのみの為、テニミュには男性キャラクターしか登場しない)

メインとなる青春学園以外の学校も非常にファンからの人気が高く、バランス良くそれぞれのキャラクターが愛されている。

 

ハイローも似た側面を持っている。

「全員主役」を掲げているハイローにおいては、明確に主人公と言われるキャラクターは存在しない。しかしながら、話の主軸となる5つのチーム、山王連合会WhiteRascals鬼邪高校RUDEBOYS達磨一家(通称:SWORD)の面々を中心としてストーリーは展開されていく。(こちらも女性キャラクター自体は存在するが、喧嘩をするシーンには基本男性キャラクターしか登場しない)

ハイローも各チームとてもユニークなキャラクターがいて、役者はEXILEグループの人たちに加え、人気の若手俳優陣も多く出演している。そのため、EXILEグループをあまり知らない層のファンも多く存在する。

 

これはテニミュにもハイローにも言えることだが、存在する大勢のキャラクターたちが全員魅力的なのがすごい。わかりやすい愛されキャラもいれば、一見意地悪だが憎めないキャラクターもいる。いかつい男子もいれば女子顔負けの可愛いキャラクターもいて、目の焦点が合わなくなるくらいには、魅力的なキャラクターが多数存在する。

 

また、一貫してテニプリキャラクターは「テニスの試合での勝利」を目指し、ハイローキャラクターたちは「自分たちの大切なモノ(場所)を守りたい」という、揺るがない主軸があることで、見ている者を純粋に応援させる力を持っている。

 

一人ひとりが主役で、様々な背景を持って生きているということを作品のなかで丁寧に表現してくれるから、みんなをそれぞれ好きになる。

それは単純に見た目や発言がカッコいいという気持ちから生まれる好きであるかもしれないし、キャラクター自身のその一生懸命さに対する憧れかもしれない。はたまた、恋心に似た気持ちを抱いてる場合もあるかもしれない。

 

つまり、キャラクターに対する消費者の気持ちが複数存在するのが多くの人に愛される理由なのではないかということだ。

実際周りのテニミュファン、ハイローファンを見ていると、原作ファンやEXILEグループファンに加え、キャラクターに恋している人もいれば、俳優のファンもいて、オタク的にキャラ萌えして楽しんでいる人もいる。それは言ってみれば、異種混合応援団体の様相を呈している。

 

漫画原作の舞台化というコンテンツで想定される客層はきっと漫画ファンやオタクと言われる層だが、テニミュには俳優のファンも多く存在するし、今までテニミュを知らなかった或いは舞台を見た事のなかった人がクチコミで足を運んでそのままファンになっていたりする。

ハイローにおいても、恐らく単純にEXILEグループのファンしか見ないだろうと思われていたが、むしろ今まで2次元にしか興味のなかった層の人たちが大量に押し寄せて一大コンテンツとなった側面がある。

 

一体どこまで制作側が予測して作ってきたのかは全く想像出来ないが、おそらくここまで多くの人に愛され広く展開することになるとは、予測出来ていなかったのではないだろうか。

 

魅力的なキャラクターたちと、キャラクター同士の関係性が一つひとつしっかり描かれることで、多くのファンを獲得したテニミュとハイロー。そしてその先にあるのは、ファンに向けた新たな展開だった。

 

 

ファンに向けた新展開

テニミュはミュージカル公演のみに留まらない。ミュージカル内で歌われるキャラクターたちの曲を披露したり、キャラクターたちによるトークをメインとしたイベントミュージカル テニスの王子様 DREAM LIVE(以下、ドリライ)」が存在する。

ドリライはまさに夢のライブだ。好きでやまないキャラクターが目の前に存在するだけでなく、目の前で歌って踊って自分たちを楽しませてくれる。原作にはないキャラクター同士の会話までもキャスト陣が繰り広げてくれる。しかも各学校のキャストがイベントに参加してくれるから、それぞれのファンに平等に幸せな時間が訪れる。

他にも、テニミュ運動会なるものがある。キャラクターに扮したキャストたちによる紅白戦を行う、舞台の完全なるスピンオフ的なイベントだ。ファンは応援団として客席で好きなキャラクターを応援する。運動会に演劇をやる時のような台本はなく、その日誰が1番になるかも、どっちの組が勝つかもわからない。だからこそドキドキしながら本当の運動会みたいに応援できるし、目の前で生きるキャラクターに、より強いときめきを感じることが出来る。

さらに、来たる11月にはテニミュ文化祭というイベントも企画されており、これもまたきっとファンを楽しませるものになるのは間違いないだろう。

 

ハイローも様々なメディア展開をしている。

ハイロープロジェクトの一番初めのスタートはドラマシリーズだった。2シーズンのドラマ放送ののち、映画版第1弾「HiGH&LOW THE MOVIE」を全国ロードショーした。ドラマシリーズから映画にかけて、ハイローでは様々な楽曲が発表された。楽曲を担当するのはEXILEを初めとしたLDH所属のグループや、作品内限定ユニットなどで、LDHファンにも作品ファンにもオイシイ企画だった。

何の楽曲が発表されてきたかと言うと、まず先程述べていたSWORDの各チームテーマソング、チームには属さない独立勢力であるMUGEN、最強の兄弟である雨宮兄弟といった全てのキャラクターたちのテーマソング(劇中歌)である。他にも、第3の刺客であるMIGHTY WARRIORS、DOUBTというチームの楽曲もしっかり存在する。

プロジェクトの1つとして映画放映直後に開催された、HiGH&LOW THE LIVE。これは作品内で発表されたこれらの楽曲を、LDH所属グループ総動員で披露したライブだ。

ライブでは作品がそのまま現実に飛び出して来たようなバイク&カーアクション、殺陣などが全面ステージとなったアリーナで披露された。

歌や踊りを披露するアーティストたちの多くが、作品に出演するキャストでもある。

だからこそ制作側は、“アーティストとキャラクターのパラレルワールドを楽しめるライブ”とこのイベントを銘打った。

さらに映画やライブで人気を博した雨宮兄弟のスピンオフ映画もライブ直後に公開。映画は多くの観客を動員し、その頃流行り始めた応援上映(映画館で本編を見ながらサイリウムを振ったり、その場で声をだして応援していい上映会)を実施したことで、より多くの濃いファンを増やした。

翌年には「HiGH&LOW THE LAND」&「HiGH&LOW THE MUSEUM」よみうりランドで開催した。ここには作品内で出てくる街並みを再現したセットがあったり、キャストが実際使用したバイクや小道具が展示されていたり、まさにそこにハイローの世界を感じられる造りになっていた。

さらに映画の第2弾、第3弾も公開され、カードキャプターさくらなどで有名なCLAMPによるコミック化も発表された。

こうして立て続けに提供される新展開に、ファンは片時もハイローから目が離せなくなった。

 

こういった、現実に作品の世界を実感できるコンテンツが根強いファンを生むのではないだろうか。

またそれはキャストにも言えることで、キャラクターを通して見つけるキャストの魅力、キャストがキャラクターと共に成長(または変化)していく姿を見ることが出来るコンテンツは、応援する側を掴んで離さない魅力がある。

 

 

キャラクターとキャストの関係性

テニミュの魅力の1つにキャストの成長ドラマがあると思っている。出演する多くの役者が初めて舞台に立つ人だったり、キャリアの浅い俳優であるテニミュは、今や若手俳優の登竜門とも言われる存在になっている。

テニミュには卒業制度があり、キャラクターはもちろん変わることはないが、演じるキャストは一定期間を経ると卒業し、そのキャラクターはまた別のキャストが演じることになる。

新しくキャラクターを演じることになる役者の多くが舞台経験の少ない新人の方ばかりで、未完成なことが多いテニミュキャスト。

そのなかでも必死にキャラクターとして生き、稽古を重ね、仲間たちとテニミュキャストとして成長していく。そのうちカンパニーでは、実際のキャラクターたちのようなかけがえのない絆が生まれ、キャストたちの結束が公演ごとに強くなっていくのが目で見てわかる。

 

SNSの発展した現代では、キャストたちの発信が盛んに行われている。一役者としての発信として今日の稽古について語ったり、はたまたキャラクターに扮してその日の公演への意気込みを語ったり、公演を振り返ったりする。そういった発信を多くのファンが楽しみにし、そこにキャストが抱える気持ちや、キャスト同士の絡みを垣間見ることが日課となっていく。

また、多くのテニミュキャストがキャラクターへのたゆまぬ愛を持ち、それを発信するたびにファンはより幸せな気持ちにさせられるのだ。

 

これは完全なる私見だが、自分はテニプリのキャラクターが好きなのかテニミュキャストが好きなのかだんだん分からなくなってきて、結果全部ひっくるめてテニプリという作品の魅力と共にテニミュという存在自体に焦がれていることに気付く瞬間がある。

さらに言えば、テニミュキャストは共に過ごす濃密な期間が長いゆえに(?)、卒業後も仲良くしている役者たちが多く存在する。

そのため、テニミュは卒業したけれど、同じ学校だったあの人たちや、ライバルだったあの人たちが今も遊んでいたりする姿を見れる。さらにお互いの舞台を見に行って讃え合っていたりする。卒業後まで楽しめるなんてお得すぎる、そう思える瞬間をテニミュファンなら1度は体験する。

 

そして新キャストが配置されれば、また今度はその人の歩む未来を見たくなる。彼らがどんな風にキャラクターとして生きるのか、どんな俳優になっていくのか気にさせる中毒性があるのだ。

 

中毒性といえば、そうやって成長過程を見届けるためにテニミュを何度も見に行く“リピーター”は非常に多い。最初の公演と最終公演の彼らは全く違う姿を見せてくれるからだ。その成長を応援するために何度も会場へ足を運び、ファンはそこでより多くの魅力に気付かされるのだ。そして公演の先には、ドリライや運動会のような嬉しいイベントも待っている。

 

ハイローでもキャラクターとキャストの関係性は深い。わかりやすい例で言えば、キャストがキャラクター名義でInstagramのアカウントを作り、作品中のオフショットを公開したり、日記のように使ったりしたことがある。まるでキャラクター自身が投稿しているように日常を写したアカウントには、何万人ものフォロワーが存在し、宣伝効果も抜群だった。

また、ハイロープロジェクトの強みはEXILEグループの人たちの関係性が元々深い場合が多いことにもある。昔から憧れていたあの人との共演もあれば、現在一緒に活動する仲間との共演もある。その絆の強さが、画面から滲み出てくるのだ。また、劇団EXILEという俳優集団の出演、様々な事務所に所属する俳優たちの出演が全体の完成度を底上げしていることも大きい。

 

ハイローの各チームにはリーダーが存在するのだが、例えばSWORDという5チームのうち3チームのリーダーはEXILEグループの人間ではない俳優が務めている。だからこそ画面により迫力が出るのだろうし、その役者たちのファンも沢山ついてきてくれる。

ハイローにおいても、キャラクター愛の強いキャスト陣が多く、なりきるべきシーンではみんなそのキャラクターとして生きてくれる。

 

しかし総合エンターテインメントであるからには、ライブシーンではアーティストとしての側面も見せていく必要がある。その切り替えがたまらない瞬間でもあったりする。それが制作側の言う、“アーティストとキャストのパラレルワールド”ということなのかもしれない。

 

キャラクター、キャスト、楽曲、ドラマ、映画…と全てひっくるめて愛されているハイローでも映画リピーターが多く発生した。

前述したように、ハイローでは応援上映会が実施されたことも含め、何度も何度も映画館に足を運ぶファンが多発した。舞台のように映画は日々変化することはないが、それでもファンは足を運び続けた。それは、次から次へと新展開をむかえる総合エンターテインメントたるハイローの一番の強みだ。作品に冠する新しい情報が入ればまた作品を見返そうと思えるし、新しい試み(例えば4DX上映会など)があれば体験してみたくなる。

そういった意味では、ハイローも大いに作品への中毒性を持っていると言えるだろう。

 

 

今回は3つの要素に絞って、コンテンツが愛される理由について書いてきたが、もちろんテニミュとハイローの魅力はこれだけに留まらない。語り尽くせるほど、簡単なものではない。

 

15周年の先もテニミュは愛され続ける作品でいて欲しいし、これからもハイローにはどんどん驚くような展開を見せて欲しいと思う。

 

そして、もしこのブログを読んでいただいた方の中でどちらかを知らない方、またはどちらも知らない方がいたら、ぜひ何かしらに触れてみて欲しい。(例えば公演に行けなくてもDVDを見たり、ファンの友人がいれば話を聞いたり、映画を借りて見たり)

 

美しくて愛のある素晴らしい世界が、そこにはある。テニミュはメディアミックスの可能性を広げた作品であるし、ハイローは世界初の総合エンターテインメントプロジェクトである。

この2つは全く違うものではあるが、見る人をワクワクさせ、日々進化し続ける存在であることは共通していると言えるだろう。

 

よくオタク界隈で「沼」という言葉を使うが、見ている人間を掴んで離さないという意味ではまさにここは沼かもしれない。

 

きっとこのコンテンツが終わりを告げるその日まで、沼に浸かり続ける人間の1人になるのだろうという予感を胸に、ブログを書き終える。

 

 

 

 

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テニミュは来週(20日)からの東京凱旋公演、ハイローは28日公開のスピンオフ映画「DTC」がありますね。共に楽しみにしています!